こんなことブログに書きたくないけど・・・
- Home
- こんなことブログに書きたくないけど・・・
2013-11-19 18:24:00
カテゴリー:日本酒ニュース
こんにちは。
日本酒アンバサダー@大森慎(おおもりまこと)です。
最近は毎日「偽装」という言葉を見聞きしますね。
本当に信じられないですし、
やってはいけないことだと思います。
雪印の牛肉偽装やミートホープの品質表示偽装、
マンションの耐震偽装に派遣労働者の偽装請負、
そしてホテルやデパートなどでも偽装が相次ぐなか、
ついに日本酒でも偽装事件が起きてしまいました。
今回のブログでは、
その日本酒の偽装事件について書こうと思います。
本当はこんなこと起こってほしくなかったし
書きたくないんですけどね。
すでにこの件をご存知の方もそうでない方も、
また日本酒について少し偏見を持ってしまった方も
いらっしゃるかもしれませんので、
今後の参考にしていただけたらと思います。
事の発端は、2013年11月12日の
“神戸市灘区の酒造会社「富久娘酒造」は11日、
純米酒に醸造アルコールを混ぜたり、吟醸酒の原料に
規格外の米を使用したりしていたことを明らかにした。”
という神戸新聞の記事から始まりました。
この富久娘酒造(ふくむすめ)が行った偽装は、
・純米酒に醸造アルコールを混ぜたこと
・吟醸酒に規格外のお米を使用したこと
の2点です。
まずは「純米酒に醸造アルコールを混ぜた件」ですが、
日本酒は、大きく分けると「特定名称酒」と「普通酒」に
分類することができます。
日本酒全体の割合で言うと3:7
わずか30%しかつくられていない特別なお酒です。
そしてその特定名称酒は、
本醸造酒・純米酒・特別本醸造酒・特別純米酒・
吟醸酒・純米吟醸酒・大吟醸酒・純米大吟醸酒
の全部で8種類に分けられます。
この特定名称酒には厳しい決まりが設けられており、
純米と名の付くお酒には米と米麹のみが使用可能。
それ以外には米・米麹・醸造アルコールが使用可能であり、
もちろん「純米」と名乗るものには使用できません。
なので、醸造アルコールを添加していたにもかかわらず
純米酒と名乗って販売した時点でアウト、偽装です。
そもそも醸造アルコールとは
米などの穀類やさとうきび(廃糖蜜)といった
デンプン質・糖質の原料を使って酵母で発酵させた
食品由来のアルコールを連続式蒸留機で蒸留したものです。
よく勘違いされがちですが、
化学的に合成された工業用アルコールではありません。
添加されたお酒を飲んでも何も問題はありません。
そしてこれを使用する量は
酒税法により厳しく制限されていますし、
世界で表彰される大吟醸の日本酒にも使用されています。
4合瓶(720ml)あたり1~2滴ほどの量です。
少ないですよね?
よって、このお酒に使用された醸造アルコールが
規定範囲内であれば「本醸造」などの表記、
それ以上の使用量であれば「普通酒」と
表記すれば問題なかったわけですね。
つづいて
「吟醸酒に規格外のお米を使用した件」についてです。
これは何となく想像できるかと思いますが、
ご説明していきたいと思います。
お酒造りに使われるお米(玄米)は、
特上・特等・1等・2等・3等と細かく別れています。
特定名称酒にはこの3等以上のお米を使用することが
義務付けられています。
そしてこれらの等級の条件を満たしておらず、
異種穀粒及び異物が50%以上混入していないものは
「規格外米」となります。
3等未満=規格外米というわけですね。
この規格外米は、お煎餅の原料になったりします。
つまり「加工用」のお米ということです。
今回のケースでは、
3等以上のお米とこの規格外米を混ぜてつくったお酒を
「吟醸酒」と名乗ってしまったことが問題です。
これが「普通酒」であれば問題なかったわけです。
ここまでが富久娘酒造の偽装事件の内容ですが、
なぜ本醸造や普通酒とすべきお酒を「純米酒」としたり
普通酒とすべきお酒を「吟醸酒」として
偽装表記しなければならなかったんでしょうね。
回収される対象商品が49品目もあることから、
もはやこの酒造のこの偽装は、
利益目的のために
“わざと”やったとしか考えられません。
まじめに美味しい日本酒を命をかけてつくっている
蔵元さんはたくさんあります。
なのに、この1つの蔵元の事件がきっかけで
日本酒業界に激震が走り、
日本酒への不信感が消費者の間で生まれてしまったことは
言うまでもありません。
本当にこのような行為は
2度と起こらないでほしいですね。
日本酒は本当に素晴らしいお酒です。
私はこれからも飲み続けますし、
これからも日本酒の魅力をあなたにお伝えしていきます。
今後とも、宜しくお願い致します。
現在、日本酒ブログランキング参加中!
今回も参考になったと思われましたら、
こちらをポチッとお願いします♪
長くなってしまいましたが、
それでは今回も最後までお読みいただき
ありがとうございました(^-^)
コメント
コメントがありません。お気軽にどうぞ。
コメントフォーム